活動報告

活動報告

長野県品質工学研究会
2025年8月8日(金)に2025年度の第4回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:11名)
以下の2つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法で「釣りが出来る日」を見抜く!釣り好き技術者が本気で挑んだ【データ釣行術】」
天気予報の波の予報を元に、釣りが出来るか否かを経験的に判断している。本研究では、波の予報をMT法で解析することにより、釣りが出来るかを判別した。その結果、完璧ではないが判別が可能となった。効いている項目は、「波の高さ」と「波の周期」だった。なお、完璧に判別できない要因としては、天気予報自体の精度が低かったことが考えられた。
2.「ディスペンサーの機能性評価」(顧問 岩下幸廣)
ディスペンサーの機能性評価を行った。吐出回数を入力、吐出量(重量)を出力、吐出の圧縮速度を誤差因子とした。データからSN比を計算したが、複数のディスペーサーを比較する場合は、信号因子が同じでなければならないことを確認した。信号因子の大きさによらず比較するためには、エネルギー型SN比や長野県品質工学研究会で議論した信SN比で評価する必要がある。また、吐出回数を信号とした場合は、回数が大きくなるとVeが小さくなることを考慮する必要があり、静特性での評価の方がよいかもしれない。
【共通テーマ】
「シャーペンの機能性評価」
会員全員で気軽にディスカッションし、品質工学の知識や経験を積む機会として、シャーペンを用いて機能性評価を各自で行い、実験した結果を披露し合った。
入力:「シャーペンのノック回数」、出力:「出た芯の長さ」で設定した。
ノイズ(誤差因子)は、「シャーペンの向き(縦、横)」や「芯の硬さ」など、各会員が自由に設定した。
ノイズとしての効果が小さく、うまく評価できない等、いい経験を得ることができた。
また、「温度をノイズにしてもいいのでは?」という意見も出た。

2025年9月12日(金)に2025年度の第5回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下の3つの事例発表および共通テーマについてディスカッションした。
【事例発表】
1.「MT法で原因診断をする際の注意点(各NG品を個別で診断しよう!)」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
MT法を用いた原因診断では、不良品を個別に解析し有効項目を特定、異常仮説を構築することが重要である。但し、有効性解析は全体傾向の把握に留め、課題解決には個別診断と現場の知見を組み合わせることが大切である。
2.「パラメータ設計を用いたE-Padのステンシル最適開口率検討と標準化」 (シナノケンシ(株) 辻希望)
パラメータ設計の事例紹介を行った。
最適条件が直交表実験の1つの条件と同じになったが、再現性は乏しかった。
仮説検証の余地はあるが、そもそもの現行条件が良くできた条件であることが分かったので、それはそれで良い検証実験となった。
また、標準化出来たことで、検証工数も削減できた。
【共通テーマ】
「シャーペンの機能性評価」
分散分析でVNとVeを求めた結果、繰り返し誤差よりも誤差因子(芯の種類)の方が大きかった。
機能性評価に関連した話題として、以下の2つのテーマにて報告があった。
1.「キッチン用はかりの機能性評価」(顧問 岩下幸廣)
容易に実験できるテーマとして「はかり」の機能性評価を行った。誤差因子として、温度、劣化などが適当だが容易に条件の変更が出来ない。そこで容易に実験できる”傾き”を誤差因子とした。誤差因子の有効性はVN>>Veを確認した。ηは、田口氏によるη、エネルギー型ηなどを計算した。エネルギー型ηは、η/10/2によって計測値の有効桁数が分かる。今後は同様の評価を他のはかりで行い、性能評価を行いたい。
2.「はかりの機能性評価」(長野県工業技術総合センター 古畑美咲)
見た目がほとんど変わらない100円と300円のキッチン用スケール2つについて、機能性評価を行った結果を報告した。
まず、床の素材(机、布)をノイズと設定し、試験を行った。
その結果、ノイズの影響が小さく、両者に有意な差は見られなかった。
次に、耐久試験(振動試験)の有り無しをノイズと設定し、再度試験を行った。
その結果、100円のスケールの方がSN比・感度ともに良好であり、300円のスケールよりも優れていることがわかった。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)

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