長野県品質工学研究会
2025年12月12日(金)に2025年度の品質工学特別講演会(第8回研究会)を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Webex)にて同時開催した。(参加者:76名)
【品質工学特別講演会】
「品質工学を含めた管理技術の展開と日本のものづくり復権に向けた提言」
武重伸秀 氏(一般社団法人品質工学会副会長、元マツダ株式会社)
日本のものづくり復権には、TQMの方針管理と人材育成の再構築が不可欠との説明があった。自身の開発現場での経験から、基本機能に基づく管理技術の有効性、業務規範整備とPDCA徹底の重要性を紹介。産官学連携による管理技術の進化と普及を社会全体で進める必要性が示された。
2026年1月9日(金)に2025年度の第9回研究会を長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門(長野県岡谷市)およびオンライン(Zoom)にて同時開催した。(参加者:10名)
以下の4つの事例発表についてディスカッションした。
【事例発表】
1.「「直交表の実験データ」と「直交表を使わないで収集したデータ」をT法で解析する際の違いについて」 ((有)増田技術事務所 増田雪也)
直交表の実験データと直交表を使わないで収集したデータをT法で解析比較。交互作用が大きくても相関が高めに出る場合があり、相関だけでは再現性を判断できない。「直交表実験では必ず確認実験が必要」および「直交表を使わないで収集したデータについては未知データでの推定精度のチェックが必要」と結論づけた。
2.「多特性の損失関数(10月発表の補足)」 (顧問 岩下幸廣)
前回、多特性での損失の計算例を発表したが、望目、望小、望大の混じった多特性では計算できない。そこで混じった特性の場合でも計算可能な方法を検討した。(1)望大特性の場合、y=1/x によって望小特性化する (2)多特性について(特に特性間の相関が強い場合)、MT法でμ→m、σ→⊿としてMD→MLの計算を行う (3)L=A*ML^2 によって損失を計算する。多特性の損失計算により、新技術開発などの経済的効果が明確になることを、事例で確認した。
3.「話題提供:Pythonによる簡単な時系列データ分析」(長野県工業技術総合センター 児野武郎)
Pythonセミナーで学んだARIMAモデルによる時系列データ解析により、食品売り上げの推定を行った。ライブラリをインポートするだけで簡単に適用でき、比較的精度よく推定できた。しかし、処理内容がブラックボックスであるため、使用するには注意が必要であることがわかった。
4.「Pythonで異音判別ソフトと画像判別ソフトを作ってみた」(南信空撮 中西徹)
MT法は、従来の検査員による外観検査や聴感検査を自動化できる手法のため、生産技術者に受けが良い。ところが、専用なソフトが必要となる事から、直ぐに試してみよう・・・という事にならにのが実態である。そこで、直ぐに使える異音判別と、画像判別ソフトをPythonで製作したところ、判別精度もよくRasberryPi5という安価な環境で、直ぐに試せるツールを準備する事が出来た。
((有)増田技術事務所 増田雪也 記)

